幸福とは、満足すること
私たちは幼い頃から、
「もっとこうしましょう」
「この教科の点数を伸ばしましょう」
「苦手なところを克服しましょう」
そんなふうに、「足りないもの」に目を向けることを教えられてきました。
もちろん、それが悪いことではありません。
できなかったことができるようになる。
苦手だったことを少しずつ克服する。
昨日の自分より、今日の自分が成長する。
「もっと良くなりたい」という気持ちは、私たちを成長させてくれる大切な力でもあります。
特に、真面目に生きてきた人ほど、
「まだ足りない」
「もっと頑張らなければ」
「まだまだこんなものじゃない」
と、自分に課題を見つけることが習慣になっているのではないでしょうか。
でも、ここには少し落とし穴があります。
足りないものに目を向け続けていると、いつまで経っても「今」に満足できないのです。
実は、私自身もそうでした。
どこまでいっても不安は消えない。
毎日のように自分にダメ出しをする。
「もっと頑張らなきゃ」
「もっと成長しなきゃ」
「まだまだ足りない」
そう思って、足りない自分を補うために、たくさんの自己投資もしてきました。
学ぶこと自体は、とても楽しかったし、決して無駄ではありませんでした。
でも、「今の自分では足りない」という気持ちが根っこにあると、どれだけ学んでも、なかなか満たされないのです。
そして、働いても働いても、すぐにお金がなくなる。
「どうしてこんなに頑張っているのに、お金が残らないんだろう」
そう思って、また自分にダメ出しをする。
今思えば、ずっと「足りないもの」を追いかけていたのだと思います。
そんな私が少しずつ変わっていったのは、
「今あるもの」に目を向けるようになってからでした。
今の生活の中にあるもの。
家族との時間。
好きな音楽を聴けること。
美味しいものを食べられること。
植物の成長を眺めること。
何気ない会話で笑えること。
そんな小さな幸せに気づくようになりました。
すると、不思議なことに、お金の使い方まで変わっていきました。
「足りない自分を何かで埋めなきゃ」と思うことが減ったので、以前ほどお金を使わなくなったのです。
そして、今の生活にも少しずつ満足できるようになりました。
もちろん、今でも「もっとこうなりたい」と思うことはあります。
成長したい気持ちがなくなったわけではありません。
ただ、
「もっと」を求めながら、「今」も幸せでいていい。
そう思えるようになったのです。
成長することと、満足することは、両立できます。
「もっと良くなりたい」と思いながら、
「今の私も、これはこれで幸せだな」
と思っていい。
幸福とは、何かを手に入れたらやってくるものではなく、今あるものに気づき、満足することなのかもしれません。
足りないものを探すのを、少しだけお休みしてみませんか。
そして今日一日、自分の中にある「もう十分あるもの」を探してみてください。
あなたの毎日は、思っているよりずっとたくさんの「ある」に囲まれているかもしれません。