初めてカウンセリングを受けるときは、
とても勇気がいります。
「本当に大丈夫だろうか」
「何を話せばいいんだろう」
そう思いながら来られる方がほとんどです。
この方も、
心が限界に近い状態で来られました。
“藁にもすがる思い”だったと話してくださいました。
でも、
セッションの中で起きたのは、
アドバイスでも、正論でもなく、
涙でした。
自分でも気づいていなかった思いに触れたとき、
自然と涙が出てきたのです。
そして、
「やっと泣けた」
と。
私は、涙は弱さだとは思っていません。
むしろ、
ずっと我慢してきた証拠。
頑張ってきた証拠。
人は、
本当の気持ちに触れたとき、
涙が出ます。
そして不思議なことに、
涙が出たあと、少し軽くなる。
それは、
感情が“外に出られた”から。
あのときの涙は、
終わりではなく、始まりでした。
その後、この方は
少しずつ自分の気持ちと向き合い続けました。
「本当はどうしたいのか」
「私はどんな働き方がしたいのか」
すぐに答えが出たわけではありません。
でも、
自分の本音を否定しなくなったことで、
少しずつ選択が変わっていきました。
そして最終的に、
転職を決意されました。
今は、自分らしく働ける場所を
ご自身で立ち上げられています。
久しぶりにお会いしたとき、
正直、言葉が出ませんでした。
綺麗になっていた、というより、
内側からの充実感がそのまま表情にあらわれていて。
凛としていて、でも柔らかくて。
「ああ、この人はもう、自分の人生を選んでいるんだ」
そう思った瞬間、
胸がいっぱいになりました。
私は彼女の人生を変えたとは思っていません。
でも、
あの「やっと泣けた」という瞬間に
立ち会えたこと。
本音に触れるきっかけの時間を
一緒に過ごせたこと。
それが今につながっているのだとしたら、
こんなに嬉しいことはありません。
人は、
本当の気持ちに気づいたとき、
少しずつ人生の舵を取り戻していきます。
大きな決断は、
突然生まれるのではなく、
安心できる時間の積み重ねから生まれる。
あの涙は、弱さではなく、
始まりでした。
もし今、
心が苦しくて
でも一歩が踏み出せずにいるなら、
あなたの中にも、
まだ言葉になっていない思いがあるのかもしれません。
それに触れる時間を、
一緒に持てたらと思っています。