その方は、自分と他人を比べ、
「私、このままでいいのかなあ?」
「私がだめなのかなあ?」
そんな思いの中にいました。
何かを決めるときも、
まず「私が悪いのかもしれない」と考える。
本当はやりたいことがあっても、
「言わないほうがいい」と自分で止めてしまう。
それが自然になっていたのだと思います。
そしてそれも、その方が幼少期を生き抜くために必要だったスキルでした。
セッションでは、
無理に背中を押すことはしません。
なぜ言えなくなるのか。
なぜ自分より相手を優先してしまうのか。
一つずつ、思考を整理していきました。
そしてある時、
「私、本当はこれがしたいんです」
と、静かに言われました。
大きな変化ではないかもしれません。
でも、その方にとっては、
今まで言えなかった言葉でした。
後日、
「言ってみたら、受け入れてもらえることが増えました」
そう報告してくださったとき、
私はただ、嬉しかった。
人は、
自分を少しだけ信じられるようになると、
見える世界が変わるのだと、改めて感じました。
そして正直に言うと、
やってきたことは間違っていなかったと、
私自身も思えた瞬間でした。