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家族療法的に子どもの問題を捉える

みなさまおはようございます^^

きゅは朝から曇り空。今週は「戻り梅雨」との予報も出ていますね。

みなさま、いかがお過ごしでしょうか?

今日は、子どもの事でお悩みの方に解決の糸口になれば・・・との思いで、

家族療法的に子どもの問題を捉えるとどうなるか?という事について書いていきたいと思います。

これを読むと、家族療法的な考え方が分かり、何かのヒントになるかもしれません。

是非最後までお付き合いくださいね^^

家族療法とは

家族
家族療法とは、問題を持っているクライエントだけに焦点を当てるのではなく、クライエントを取り巻く家族全体に焦点を当てる療法です。
家族療法では、問題を表しているクライエントをIPと呼び、そのIPの問題を個人から家族全体へと発展していきます。
そして、家族全体で問題に向き合い、クライエント本人や家族がすでに持っている問題解決能力を引き出すことで、関係性を修復する効果のある心理療法です。

では、家族療法では実際にどんな事を行うのかについて、お話していきたいと思います。

不登校の子どもの事例

膝を抱える子ども
昔実際にあった事例です。
お母様が、お子さんの不登校について悩んでいて、カウンセリングルームにご相談に来られました。
箱庭療法を受けさせたいのだけれど、外に出たがらなくて・・・という事でした。

そこで、私は「お母様も色々と心配されてお辛いと思います。まずはお母様がここに来て楽になれるようにしませんか?そして、お子さんはタイミングを見てまたお誘いしましょう。」という提案をしました。
それは、「きっとお母様自身の問題が解決すれば、お子さんも変わって来るのではないか?」という私の思いがあったからです。
お母様も一人で抱えてしんどかったのでしょう。継続して来て下さることになりました。

最初はお子さんの話が中心だったのですが、セッションが進むにつれて、旦那さんの話が出てきました。
実は旦那さんとは家庭内別居状態で、子育てにも無関心。自分の好きな事ばかりしていて、もう諦めている・・・と。
また、夫のお母様も完全に夫の見方で、自分は家に居場所がない。
思い返してみれば、自分は幼い頃から大切にされているという感覚がないかもしれない、という話になってきました。

ここで、私は家族療法的な視点でお子さんの不登校について話をさせて頂きました。
「もしかしたら、お子さんはご両親の仲を何とかしたくて、不登校という形を取ったのかもしれません。自分がそのような立場を取ることで、家族の仲を良くしたい・・・そんな事を、お子さんは無意識に思っていたのかもしれません。」
というと、お母様は号泣されていました。

このような事例は、実は珍しいことではありません。「子どもが自分の身を呈して、家族の問題に取り組む」これは無意識でやっていることですが、よくあることなのです。それぐらい、子どもは両親が大切ですし、大好きなのです。

そして、お母様の心が変わり、行動が変わることで、実際にお子さんにも変化が現れました。
徐々に保健室へと登校できるようになったのです。
最終的に、お母様がカウンセリングを卒業される頃には随分とお子さんの表情は明るくなり、気分が良い時には学校に行くようになったとのこと。
そして、お母様も「学校に行くとか行かないとかそんな事はどうでもいい。元気で笑顔を見せてくれたら」という思いを持つことができるようになりました。

家族関係は互いに影響し合っている

親子でハグ
このように、問題行動を起こしている子どもに直接働きかけなくても、事態が改善するという事は、よくある事なのです。
それぐらい、家族というのは互いに影響し合っているという事です。

お子さんが不登校になっている原因として、学校で人間関係のトラブルがないか、お子さんがコミュニケーションを苦手としていないか、先生と上手くいっているか、など、直接的な原因になっている事がないか、を探るのは、第1段階としてまずは大切な事です。
何か明確な理由がある場合は、そちらを解決するか、そのような苦しい場で頑張り続けさせないという対処を取ることが、一番大切になります。

ただ、これといった思い当たる理由がない場合は、家族関係はどうか、という視点を持つことも大切です。
そして、もし、親御さん自身が今辛い思いを抱えているのであれば、そこを解決していきましょう。
そのことは、親御さん自身の生き辛さを解決できる上に、お子さんにも良い影響を与えるからです。
私がいつも言っている事ですが、自分の幸せ=周囲の人の幸せだからです。

私の不登校に対する考え方

教室
最後に今回、不登校を事例にしたので、私の不登校に対する考え方を書いておきたいと思います。

今回、不登校を問題行動として事例に出しましたが、私は実は不登校を問題行動だとは思っていません。
しんどい、辛い時に休めるというのは、勇気ある行動だと思っています。
子どもだって、学校を休む事に対する罪悪感は多少なり感じているのです。
そんな中で「身を守るために休む」というのは、決して悪い事ではないという解釈です。

また、今の学校システムに疑問を感じたり、合わないと感じる事も悪いことではないと思っています。
これだけ色んな人間がいて、みんな同じようにしなければならない、その事の方に私は疑問を感じます。

ですので、今の学校システムが合わないのなら、その子に合ったフリースクールを探したり、自由な校風の私立を探すなり、
今は色々な形が選択できるようになっています。
やはり、色々な人と関わりながら成長するという意味では、できる事なら家族以外の人と接する機会はあった方がいいな、とは思うのですが、
それがいわゆる学校でなくてもいいし、その子に合った環境を見つけてあげることは必要だと感じています。

これからは個性化の時代。「できない事に目を向けるのではなく、できる事に目を向けていく」
子どもも大人も、そんな時代に来ていると思っています。

じゃあなんで不登校を例に出したんだ?と言われそうですが、
分かりやすい身近な例として取り上げるのに適切だと思ったからです。
また、この事例に出会った時にはまだ今ほど多様性が世の中で認められておらず、不登校をしている親御さんの辛さも大きいものだったからです。

これからの時代。それぞれの個性を認め合い、それぞれが助け合う、完璧を求めるのではなく、「おたがいさま」の愛溢れる世の中でなればいいなあ、と願っています。

今日も最後まで読んで頂き、ありがとうございました。